ダウンタウンL.A.にあり、ロサンゼルスでもっともポピュラーな観光地の1つとして知られるチャイナタウン。 エリア中心地にあるCentral Plazaには「New Chinatown」と題された壁画が設置されているため、なぜ「new」なのだろう?と不思議に思う方も多いかもしれません。L.A.初のチャイナタウンは、現在 Union Stationが位置する場所に誕生しました。しかしながら1930年代初期からの鉄道開発にともない、1938年6月にオリジナルの位置から少し離れた現在の地に移転し、New Chinatwonとして新たに展開していくこととなったのです。新たなチャイナタウンはL.A.のみならず、アメリカ全土の歴史においても大きな影響を与えました。その理由の1つに、中国人が所有する地域として、アメリカで初めて誕生したエリアだった、という事があげられます。
食のメッカ
チャイナタウンでは新しいモダンなお店から古き良き伝統を感じるお店まで、さまざまなレストランがあります。Golden Dragon(ゴールデン・ドラゴン)の点心、Hop Woo(ホップ・ウー)の伝統的な人気メニュー、Kim Chuy(キム・チュイ)のチウチャウ風ヌードル、そして2021年8月に旧プラムツリー・インのスペースにオープンしたBroadway Cuisine(ブロードウェイ・キュイジーヌ)では242品目ものバラエティ豊かなメニューを楽しむことができます。また、キャッシュのみのPho 87(フォー87)は心温まるスープボウルが自慢、Golden Lake Eatery Cambodian Restaurant(ゴールデン・レイク・イータリー・カンボジア・レストラン)ではおいしいバインミーが味わえます。
Kogi BBQで大成功をおさめた有名シェフロイ・チョイがが、2013年にファーイーストプラザにチェゴ店をオープンすると、クオリティーの高い店舗が出店したと瞬く間に地域の評判が上がり、いまでは美味しいレストランが集まるスポットとして人気です。(チョイは2019年4月にチェゴを閉店)。ここ数年、他のグルメのお気に入りも近所に進出しています。2018年1月には、デビッド・チャン(モモフクで有名)が西海岸初のレストラン「Majordomo」をナウド通りにオープンしました。
Angry Egrette Dinetteでは、元ゲリラタコスのシェフ、ウェス・アビラが、アルタ・カリフォルニア・スタイルのメニューを提供しています。ププ・プラッター、ボリュームたっぷりのトルタ、ブレックファスト・ブリトー、ウニとハマチのトスターダなどのスペシャルメニューが人気です。「Howlin' Rays(ハウリン・レイズ)」のナッシュヴィル・ホット・チキンに行列ができ、「Little Jewel of New Orleans(リトル・ジュエル・オブ・ニューオリンズ)」では、LAではなかなか手に入らない南部のスナックやドリンクがずらりと並ぶマーケットでポーボーイを味わえます。ハンバーガー・ファンには、エッグスラット創業者のアルビン・カイランが手がけるAmboy Quality Meats(アンボイ・クオリティ・ミーツ)や、肉好きもビーガンも楽しめるグリルのBurgerlords(バーガーローズ)などがあります。
ロサンゼルスを代表するフレンチ・ディップ・サンドイッチが人気のPhilippe The Original(フィリップ・ザ・オリジナル)では、クラシックなアメリカンブレックファストも大人気。1948年にオープンしたNick's Cafe(ニックズカフェ)はロサンゼルス州立歴史公園の向かいにあり、看板メニューのNick's Famous Ham N Eggs(ハム&エッグ)、週末限定のGreat Eight Benedicts(エッグベネディクト)、Diner Monster Dogs(モンスタードッグ)はローカルの間で長年愛されています。
2020年3月にオープンしたThank You Coffee(サンキューコーヒー)は、セントラルプラザにあるPaper Plant Co.(ペーパー・プラネット・コー)内にある隠れた名店。エスプレッソ、燻製紅茶シロップ(中国福建省産ラプサンスーチョン)、チコリー・ピーカン・ビターズ、オートミルクで作るYou're Welcome Latteなどがあります。
1938年創業、チャイナタウンの定番Phoenix Bakery(フェニックス・ベーカリー)は、イチゴと生クリームのバースデーケーキが好評です。また、セントラルプラザにあるWonder Bakery(ワンダーベーカリー)では、甘いペストリーと香ばしいペストリーが楽しめます。夜更かしする人は、週末は遅くまで営業しているヒル・ストリートのFull House Seafood(フルハウス・シーフード)がおすすめだ。
チャイニーズ・アメリカン・ミュージアム
チャイナタウンのダイニングシーンは、言うまでもなく1番大きな魅力ですが、他にもたくさんのオススメポイントがあります。歴史好きの方にぜひ訪れていただきたいのが、 エル・プエブロ・デ・ロサンゼルス歴史記念碑にあるChinese American Museum(チャイニーズ・アメリカン・ミュージアム)(CAM)。美術館のあるガルニエ・ビルディングは、カルフォルニアエリアに現存する中国系の建築物としては最古のものと言われています。
ツイン・ドラゴン・ゲートウェイ
チャイニーズ・アメリカン・ミュージアムから徒歩数分の場所にあるツイン・ドラゴン・ゲートウェイ。周辺エリアを散策すれば、地域についてさまざまな発見があるはずです
セントラルプラザ
チャイナタウンのセントラルプラザにあるブルース・リーの巨大な銅像は、撮影の必須スポット。武術のスターである故ブルース・リーは、かつてチャイナタウンの628 W. College St.にスタジオを構えていた歴史があります。
その近くには、1941年にタイラス・ウォンによって描かれた「Dragon Chasing Pearls 真珠を追うドラゴン」の壁画があります。2016年12月に106歳で他界した伝説的な画家は、映画、特にディズニーの『バンビ』のリード・アーティストとしても有名でした。
アートギャラリー
何年もの間、チュンキング・ロードはL.A.アートの中心地です。ヒル・ストリートから少し入ったところにある小さな中庭には、Charlie James Gallery(チャーリー・ジェイムズ・ギャラリー)やTierra del Sol Gallery(ティエラ・デル・ソル・ギャラリー)など、有名なギャラリーが数多く点在。ブロードウェイとカレッジにあるブロッサム・アパートメント下のEastern Projects(イースタン・プロジェクト)など、チャイナタウンの他の場所にもギャラリーが進出しています。
ナイトライフ
General Lee's(ジェネラル・リーズ)では、クラフトカクテルを味わいながらジャズの生演奏を聴き、デッキでは地元のDJを楽しむことができます。The Grand Star Jazz Club(グランド・スター・ジャズ・クラブ)では、さまざまな生バンドやダンス・ナイトを開催しています。セントラルプラザ向かいのヒル・ストリートにあるメロディー・ラウンジには、豊富なビールを取り揃えたバーや、イベントも充実しています。2018年1月にスプリング・ストリートにオープンしたカウンターバー・スタイルのApotheke(アポテケ)は、白衣を着たバーテンダーが作る「処方箋リスト」のカクテルに注目です。2018年3月には、Highland Park Brewery(ハイランドパーク・ブリュワリー)がロサンゼルス州立歴史公園の向かいに9,000平方フィートのタップルームをオープン。101 Cider House(101サイダーハウス)やHomage Brewing(ホメッジ・ブリューイング)など、成長を続けています。
ワインファンなら、2017年10月にゴールドラインの影にオープンしたOriel Chinatown(オリエル・チャイナタウン)をチェック。また、週末には近くのAngeleno wine(アンジェリーノ・ワイン)を訪れ、ワインの試飲やグラスワイン、ボトルの持ち帰りを楽しむのもいいですね。
フェスティバル
チャイナタウンでは音楽とフードトラックを一度に両方楽しめるチャイナタウン・サマー・ナイツや、毎年開催されるムーン・フェスティバルなど年間を通して大きいイベントが多数開催されています。最大のイベントは旧正月。ゴールデン・ドラゴンパレードやチャイニーズ・ニューイヤー・フェスティバル(旧正月を祝うイベント)、L.A.Chinatown Firecracker(チャイニーズ・ファイアークラッカー)、バイク&ランといった催しもイベントの一部として開催されています。
行き方
チャイナタウンは、観光でL.A.を訪れている方や車を所有していない方にとっても、公共交通機関で簡単にアクセスできる場所です。地下鉄A線(ブルーライン)のチャイナタウン駅はセントラルプラザから1ブロックのところにあります。また、Union Station(ユニオン駅)からも歩いてすぐで、ブロードウェイとヒル・ストリートをではバスが何本も通っているので、交通手段のオプションには事欠きません。サイクリングでチャイナタウンをまわりたいという方は、駅に設置されたBike Share Station(バイクシェア・ステーション)を利用する事ができます。