新アカデミー映画博物館 見逃せない10のポイント

Academy Museum Exterior 2021 Drone
Photo by Joshua White, Courtesy of the Academy Museum of Motion Pictures

映画制作の芸術と科学をテーマにしたアメリカ最大の施設である、アカデミー映画博物館は見どころがたくさんあります。映画という夢の制作現場を、様々な角度から掘り下げ、スクリーンを越えて、その背景にある人々の創造的なストーリーを展示しています。

映画芸術科学アカデミーの1300万点を超えるコレクションに加え、様々な企画展、2つの最新のシアター、特別イベント、常に変化するプログラムや上映カレンダーなど、約28,000平方メートルの広さのこの博物館は、何度も行きたくなる施設です。

 

初めての訪問で見逃せない10のポイントについてご紹介します。

Academy Museum Exterior Dome 2021
Photo by Joshua White, Courtesy of the Academy Museum of Motion Pictures

1.建築

まずはアカデミー映画博物館の建築。ポンピドゥー・センターや関西国際空港旅客ターミナルビルを手がけたことで知られる世界的な建築家レンゾ・ピアノの設計で、外観の独特なデザインを見ていると内観の設計はよりすごいのではないかとわくわくするでしょう。この博物館は、ウィルシャー・ブルバードとフェアファックス・アベニューの交差点にある23,000平方フィート強の旧メイカンパニーデパートだったストリームライン・モダン様式の歴史的ビル「サバンビル」を修復して誕生しました。慈善家のシェリル&ハイム・サバン夫妻が5,000万ドルを寄付して修復されたこのビルには、35万枚の金箔モザイクタイルが貼られた独特の金色の円柱や空中に浮かぶ「球体」がレンゾによって追加されました。1,500枚の多面体ガラス板で覆われたこの高層建築には、デビッド・ゲッフェン・シアターとハリウッドヒルズを一望できるガラスドームの「ドルビーファミリーテラス」があり、ハリウッドサインからゲティ・センターまでの眺めを楽しむことができます。

Academy Museum Cinema Stories Costumes 2021
Photo by Joshua White, Courtesy of the Academy Museum of Motion Pictures

2.常設展示の見どころ

アカデミー映画博物館は、映画関連の品々や技術に関する独自の素晴らしいコレクションだけでなく、映画芸術科学アカデミーが収集した、文字通り数百万点の衣装、フィルムリール、ポスター、小道具、プロダクションデザイン画、脚本など、実際の撮影で使われた小道具やキャラクターを展示。1979年の『エイリアン』で着用された脅威の地球外生命体のヘッドピース、『オズの魔法使い』のドロシーのルビーのスリッパ、『ジョーズ』の現存する最後の実物大サメの模型、1962年に物議を醸した名作『モッキンバード殺し』のグレゴリー・ペックの脚本の注釈ページ、脚本家ジョセフ・ステファノが、ジャンルを確立したホラースリラー『サイコ』のために使ったタイプライターなど、映画の歴史を感じさせる展示品を見ることができます。

Academy Museum Stories Cinema 1 2021
Photo by Joshua White, Courtesy of the Academy Museum of Motion Pictures
Academy Museum Stories Cinema 2 2021
Photo by Joshua White, Courtesy of the Academy Museum of Motion Pictures

3. ストーリー・オブ・シネマ展

「ストーリー・オブ・シネマ(映画の物語)」は、小説をもとにした映画、ドキュメンタリー、アニメーション、そしてそれらの背後にある様々な芸術や科学について探求する、アカデミー博物館の進化し続ける中核となる展示です。この展示は、サバンビルのメインロビーから始まり、高くそびえるガラス張りのギャラリーやマルチスクリーンで、映画製作の歴史、アート、科学の現在と過去におけるあらゆる側面を紹介しています。2階では、スパイク・リーの作品とその影響、アカデミー賞の歴史、映画製作における社会問題の役割と反映、そしてケーススタディとして「オズの魔法使い」に命を吹き込んだ様々な分野を紹介しているところです。3階では、R2-D2、バッグス・バニー、『ブラックパンサー』のオコエといったおなじみのキャラクターが、ペドロ・アルモドバル監督、作曲家のヒルドゥル・グナドッティル、音響デザイナーのベン・バートによる特別インスタレーションとともに、複数の部屋で「世界観とキャラクターの創作」を体験することができます。

Academy Museum Cinema Path 2021
Photo by Joshua White, Courtesy of the Academy Museum of Motion Pictures

4.映画への軌跡:リチャード・バルザー・コレクションから

故リチャード・バルザー氏は、映像エンターテインメントに関わるあらゆるものに魅了されたコレクターであり、作家でもありました。40年以上の歳月をかけて収集した9,000点に及ぶコレクションには、ヨーロッパ、アジア、アメリカから17世紀にまでさかのぼる映画以前の貴重なものが含まれています。バルザー氏の膨大な労力を結集したこの展覧会では長い伝統から生まれた光の楽しさである、のぞき絵、パラパラ漫画、ゾーエトロープ、万華鏡、マジックランタンや、この展覧会のために特別に制作されたマジック・ランタン・ショーをご覧いただけます。現在では古風ですが、映写映画が登場する前の世代にとっては、これらはまるで魔法のような不思議なものでした。

5.オスカー® の体験

アカデミー賞をよくご覧になる方なら、ハリウッドのドルビー・シアターのステージに招かれ、世界中の人々が見守る中、誰もが憧れるあの金の像を受け取るのはどんな気分だろうと思われたことがあるのではないでしょうか。アカデミー映画博物館のアカデミー賞体験シミュレーションは、自分の名前が呼ばれるのを聞いて(もちろん驚いたふりをしながら)、気を動転させながら賞を受け取るまで、ほとんどの人が受賞者の感覚を疑似体験することができます。さらに、その様子を撮影したビデオをもらえるので、一生の思い出になりますよ。

6.ファニーズ・レストラン&カフェ

アカデミー映画博物館はそれぞれの世代に流行った映画関連の展示を含め、展示内容が本当に素晴らしいので、一緒に訪れる人との話が尽きないぐらい感動、懐古観、興奮を感じるでしょう。ファニーズ・レストラン&カフェは、感動や気持ちの高まりを仲間と語り合う場所です。有名なレストラン経営者であるビル・チェイトとカール・シュスターによって開発された2階建ての印象的な空間には、少人数用のテーブルと共同テーブル、アールデコ調のバー、居心地の良い曲線を描いたブースのあるラウンジエリアがあります。地元のアーティストや職人の作品に囲まれながら、ウルフギャング・パック ケータリングが監修したメニューをお楽しみください。L.A.のアーティスト、コンスタンチン・カカニアスによる壮大な壁画がダイニングエリアを取り囲み、クラシックハリウッドから現代に至る映画と音楽の伝説を称えています。

7.背景:目に見えないアート

1959年に公開されたアルフレッド・ヒッチコック監督の代表的なサスペンス・スパイ映画「北北西に進路を取れ」で使用されたラシュモア山は有名ですね。その巨大な背景画の芸術性と論争に焦点を当てるために、ハードギャラリーが2階建てとなりました。2フロアに渡るこの首の痛くなるような展示によって、私たちの世界を形作ってきた映画の中に、私達は舞台裏の制作やその制作者を垣間見ることができます。

8.アカデミー映画博物館のミュージアムショップ

ミュージアムショップは、冷蔵庫につけるマグネットやショットグラスといった典型的なギフト・ショップとはちょっと違います。衣類、家具、アクセサリー、レコード、ホーム&オフィス用品、ポスター、地図、イラスト、おもちゃ、ゲーム、書籍やカタログなど、映画に関する貴重な品々を慎重に選び、特別にデザインされた商品、アカデミー賞記念品、その他の限定品を販売しています。衣装デザイナーのルース・E・カーター、クリエイティブ・ディレクターのI・ハビエル・アメイヘイラス、伝説のスパイク・リーなどのアカデミー会員が、他では手に入らないアイテムをデザインし、映画ファンが喜ぶようなアイテムを用意。また、アメーバミュージック、キャンドルメーカーのフローレスレーン、ライフスタイルブランドのポケトなどのカリフォルニアの多くのパートナーもこのショップに参加しています。

Academy Museum Miyazaki 1 2021
Photo by Joshua White, Courtesy of the Academy Museum of Motion Pictures

9.宮崎駿展

「宮崎駿展」は、アニメーション史上最も優れた、国際的に著名な映画監督である宮崎駿の作品に焦点を当てた、アカデミー美術館初の企画展であり、北米初の美術館での回顧展です。アカデミー賞受賞者である宮崎監督が1985年に設立したスタジオジブリの協力のもと、オリジナルのイメージボード、キャラクターデザイン、背景、レイアウト、絵コンテ、ポスター、セル画など、国外での初公開の作品を含む300点以上を展示しています。宮崎駿の60年近いキャリアを振り返るこの展覧会では、宮崎駿のすべての長編アニメーション作品が、体験型・教育型の没入型空間として組み込まれています。

10.復活:ブラックシネマ1898-1971(2022オープン予定)

このジャンルの展示としては初めてとなる「リジェネレーション(再生)」。ブラック・シネマ 1898-1971 は、アメリカの映画製作に関わった黒人を調査し、掘り下げた内容を展示しています。2022年に公開されるこの映画では、アメリカ映画の発展におけるアフリカ系アメリカ人の映画制作者の重要な歴史が、その初期から公民権運動の直後まで、あまり頻繁に語られていないことを明らかにしてます。「再生」は、独立したアフリカ系アメリカ人の映画制作者の作品に焦点を当て、過小評価されてきたブラックシネマの芸術性を高め、ブラックシネマの変遷を特集することによって、米国映画史を再定義することを目標としています。

 

詳細やチケットの購入はアカデミー映画博物館のホームページをご覧ください。


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