ダウンタウンLAの人気寿司店
寿司好きとって、今のロサンゼルスは絶好の時期。アメリカ人の味覚は生魚を敬遠しなくなり、以前のようなマヨネーズたっぷりの巻き寿司よりもシンプルなものを好むようになり、ロサンゼルスの日本食シーンはかつてないほどに盛り上がりを見せています。ロサンゼルスにはいたる所に寿司屋がありますが、特にダウンタウンLAにはその選択肢が豊富に揃っています。リトルトーキョー自体が寿司の中心地であり、そう遠くないところにスシゾーやシュガーフィッシュのような有名店があります。遠くまで車を運転しなくても、手頃な価格から贅沢な名店までさまざまに堪能できます。
バー・サワ
2022年6月にオープンしたBAR SAWA (バー・サワ)は、ミシュランの星を獲得した隣の姉妹店Sushi Kaneyoshi(鮨かねよし:下記参照)よりもお手頃な価格帯(185ドル、カクテルペアリングのオプション45ドル)で、江戸前スタイルのおまかせ料理を体験できるお店です。照明を抑えた店内は、東京の高級リスニング・バーを思わせる雰囲気。バックバーの脇にはオーディオマニア向けのスピーカーからジャズが流れ、バーの一角には響のウイスキー・ボトルが壁一面に飾られています。
17品の季節のおまかせコースの最近のハイライトは、セイコガニ、ノドグロの 「タコス」、あん肝、ギリシャ産黒鯛のリンゴポン酢和え、北海道産ホタテ、牡蠣ピューレフロート、生姜、メジソを添えたの茶碗蒸しなど。
カクテルのペアリングは、サワ・ハイボール(トキ・ウイスキー、ゆずビターズ、ソーダ、グレープフルーツ・ピール)、ジャパニーズ・ネグローニ(ロク・ジン、カンパリ、梅酒)、サワ・マティーニ(ハク・ウオツカとダッサイ)などから3種類を選びます。
予約はTockで。
はま寿司
HAMA SUSHI (はま寿司)の看板には、リトル東京のこの人気店では寿司のみを提供と注意書きがあります。天ぷら、照り焼き、麺類はメニューにありません。ご飯だけを頼むこともできません。シャリにのった生魚が中心で、魚の質の高さがそれを物語っていることがすぐに分かるでしょう。一番のおすすめはカウンター席で握りを注文し、半透明の甘エビ、ビロードのようなサーモンの腹身、そしてあれば軽く歯ごたえのあるエンガワ(オヒョウのひれ)などをハイライトに。人気の寿司コンビネーションCは、マグロ(2貫)、サーモン、オヒョウ、イカ、エビ、ウニ、イクラ、ハーフ・カリフォルニア・ロール、豆腐の味噌汁のセット。
カズノリ
高い評価を得ている寿司シェフ、野沢和典氏(シュガーフィッシュの共同創業者)は2014年、メインストリートにKAZUNORI (カズノリ)をオープン。シュガーフィッシュと同じ品質へのこだわりと、ユニークなアイデアの手巻きのこのカジュアルレストランは瞬く間に人気となり、その後、コリアタウン、ミッドウィルシャー、スタジオシティ、ウエストウッド、サンタモニカ、マリナ・デル・レイにも展開しています。
カズノリのコンセプトは、ミニマルな内装と同じくらいシンプル。お客はカウンターに並び(先着順)、3~6種類の手巻きセットメニューから選びます(1セット15~28ドル)。アイコンのブルークラブ・ハンドロールは、4つのメニューすべてに含まれています。オプションで、サーモン、ベイホタテ、トロ、ブリ、ロブスターなどの手巻きも選べます。また、アラカルトの手巻きや刺身も用意されています。
カズノリを自宅で味わえる手巻きキットは、3〜5人前で4種類の具材(トロ、カニ、ブリ、サーモン)、ノザワ特製の温かいご飯、海苔、調味料の盛り合わせなど、20本の手巻きを作るのに必要なものがすべて揃っています。
くら - リトル東京
リトルトーキョーのジャパニーズ・ビレッジ・プラザにある回転寿司くらは、日本、台湾、アメリカで500店舗以上を展開するグローバル・チェーンのロサンゼルス1号店。現在は、ソーテル・ジャパンタウン、コリアタウン、シャーマンオークス、グレンデール、トーランスにも展開しています。
席に着くとすぐに回転寿司の体験がスタート。寿司の皿はゆっくりと客のそばを流れていき、他の皿との接触を防ぐ特許取得済みの「ミスター・フレッシュ」プラスチック製ドームから寿司を取り出します。タッチスクリーンで注文を選ぶと、エクスプレス・ベルトに乗ってテーブルまで運ばれてきます。空になった皿はスロットに入れると、店が料金を計算します。
一皿3.75ドルが中心で、お馴染みの2貫握りから、北海道産ホタテ、サワラ、真鯛の柚子胡椒和え、そしてトロやズワイガニの足など季節の一品まで幅広いメニュー。のり巻き、軍艦、カットや手巻きも多数楽しめます。
予約はできないので、来店時に名前を入れるか、または「くら」アプリで事前登録を。
Q
伝統的な寿司を求めるなら、ロサンゼルスでQ以上の店はないでしょう。ナルケヒロユキシェフは江戸前料理の達人で、米には赤酢を使い、塩をひとつまみ加え、砂糖は使いません。本来、江戸時代の米には甘味があったので、砂糖は必要ありませんでした。魚は旬のものを世界中から取り寄せています。26席の店内は親しみのある雰囲気で、且つ細部にまでこだわっています。わさびはただ手渡されるだけでなく、上に添えられています。一口食べるとほのかに味噌の香りがするものや、繊細な醤油の味がするものもあります。
シュガーフィッシュ|ダウンタウンLA
Sugarfish (シュガーフィッシュ)はTrust Me (トラスト・ミー)メニューが有名で、食事に合わせて一口サイズの美しい握りが出されます。シャリは温かくゆるく握られ、ネタはいつもクリーミーで柔らかです。この店は極めてシンプルですが、それが魅力のひとつ。代表的なメニューは、手巻き寿司とオーガニック枝豆がついた7品のセット。お好みで追加することもできますが、厳選されたメニューは大抵十分すぎるほどです。
鮨元
1980年に豊島年昭氏が創業したSushi Gen (鮨元)は、ホンダプラザ内にあり、平日の刺身ランチが有名です。十数種類の切り身(サーモンの炙り焼きを含む)に味噌汁、ご飯、豆腐、漬物がついて23ドル。ディナータイムのスペシャルは、天ぷらが付いて32ドル。ちらし(23ドル/28ドル)も人気で、マス、マグロ、ブリ、イカ、ウナギの新鮮な刺身を味わえます。予約はなく、午前11時の開店前から行列ができます。
鮨ゴー 55
リトルトーキョー・ガレリア・マーケットの最上階にあるSUSHI GO 55 (寿司ゴー 55)は、リトルトーキョーで60年近く親しまれているお店。定番のメニューはすべて揃っていますが、2段ちらしで良く知られています。上の丼には、鯛、マグロ、ブリ、サーモンといったネタの盛り合わせ。ご飯は下の段にあり、かなり贅沢な量の魚卵、海苔、錦糸卵が添えられています。
すしラッシュ - グランド・セントラル・マーケット
ジョナス・ネヴァー作のShohei Ohtani mural (大谷翔平の壁画)を探せば、歴史あるグランド・セントラル・マーケットにあるSushi Rush (すしラッシュ)を見逃すことはないでしょう。カワムラ”トモ”トモヒコとキクチナオが創業したすしラッシュは、「Let's Sushi 」をモットーに、カジュアルでありながら上質な食体験を提供しています。
ラッシュロール(28ドル)などの寿司セットはお得なセットで、オープンハンドロールの5点セットは、ワタリガニのキュウリ添え、ベイホタテの真砂添え、サーモンのキュウリ添え、スパイシーツナのカイワレ&オニオン添え、ブリのキュウリ&ネギ添え。その他、寿司ラッシュ(握り8貫&ラッシュロール1本)は25ドル、サーモンづくしはサーモン握り8貫とサーモン手巻き(きゅうりとせんべい付き)の25ドルなどがあります。
平日午後3時から閉店までのハッピーアワーには、おまかせ寿司、サッポロ生ビール(16オンスまたはピッチャー)、赤・白ワイン、日本酒(熱燗または冷酒)、枝豆が用意されています。
スシゾー
この店の魅力でもあり、敬遠される理由でもあるのが、160ドルのおまかせコース。しかし、もしお金を惜しまずに楽しむ余裕があれば、Sushi Zo (スシゾー)は最高の寿司体験のひとつだとロサンゼルス市民は断言するでしょう。運良く天然の紅鮭がお皿に出されたら、それはネオン色に近い鮮やかなブラッドオレンジ色をしています。ワシントン産の牡蠣、オーストラリア産のトロ、モントレー産のアワビを提供されることもあります。いずれにしても、口に運ばれる度に寿司のあるべき姿を教えてくれます。